「ブラックマーク」は縁の下の力持ち

はじめに

矢野です。小石川オフィスに引っ越してきて、1か月あまりが経ちました。小石川や、それに近い西片・本郷界隈は起伏が激しくて入り組んだ道が多く、引っ越し直後はランチの後にちょっと散歩するとすぐに迷子になっていたものです。それでもだんだんと脳内の地図が整理されてきて、かなり歩きやすくなってきました。

ブラックマークって何?

ちょっとググってみると、「ドリフト走行などで路面にできるタイヤの黒い跡」とか「汚点」とか、今年公開のそういうアクション映画があるとか、色々出てきます。ですが、私たちが扱っているブラックマークとは、「印刷用紙の裏側の黒い印」のことです。

ブラックマーク

ブラックマークの例。用紙を横切るような帯状のものや、紙面の中央に四角く描かれたものなど。

生産管理に使用する小さなラベルや完成品をお届けするための配送伝票などのシールの台紙となる剥離紙の裏側に印刷されている黒い印や帯のことです。シールとして貼る際に捨てられてしまうので、お客様の目に触れることはありません。いわば縁の下の力持ちですね。

何のために使うの?

私たちが取り扱うラベルプリンターには印字ヘッドの近くに光学式のセンサーが内蔵されていて、それで台紙の裏側をスキャンできます。ブラックマークを検知するまでは用紙を送り出して、検知したところで位置合わせ。そこから印刷を始めて、1枚分印刷できたら台紙ごとカットする(これもプリンターに内蔵されたカッターがやってくれます)。1枚ごとの長さが決まっているロール式のラベルを正確に取り扱うための、重要なマークです。

と、ある程度取り扱えるようになってから言うのは簡単ですが、プリンターと用紙がそれぞれ専用の組み合わせでない場合は、用紙の向き、サイズ、光学センサーの位置、検知の方式(透過式? 反射式?)、マークからの相対的な位置の設定などなど、いろいろな苦闘がありました。用紙のフィードがいつまでも止まらなかったり、おかしなところでちょん切られたり……。

形のないソフトウェアの世界と、プリンターやRFIDリーダーなどのハードウェア、印刷メディアなどの間を行ったり来たりしながら、私たちは開発の仕事をしています。