デザインに使える比率の話

皆さんこんにちは。イメージマジック三浦です。 新型コロナウイルスに対して、弊社でも在宅勤務等の感染予防対策が進んできて今までと違う状況が日常になりつつあります。一日も早い収束を願いつつも、日々自分にできることをやっていこうと思います。 今回は「デザインに使える比率の話」と題して、黄金比と白銀比を紹介します。

黄金比

1:(1+√5)/2≒1:1.6
(1+√5)/2は黄金数とも呼ばれ、フィボナッチ数列の一般項表記に出てくる数です。整数値で比率を表すと5:8となります。
Web画面を作る時、通常表示向けと強調表示向けのフォントサイズを5:8にすることがありますが、通常表示側が奇数になる場合は以下2つの内、1.6に近い方を使うようにしています。
  • 強調表示向け÷(通常表示向け+1)
  • 強調表示向け÷(通常表示向け-1)

白銀比

貴金属比による定義…1:(1+√2)≒1:2.4
直角二等辺三角形の斜辺と底辺の比…1:√2≒1:1.4
「1:√2」は紙の寸法に出てくる他、日本の建築物に多く取り入れられています。また、東京スカイツリーの「東京スカイツリー展望回廊」とタワー全体の高さが約1:1.41で、これも白銀比になっています。

少し数学的な話

第n貴金属比…1:{n+√(n^2)+4}/2
黄金比や白銀比を更に一般化した概念として、貴金属比というものがあります。第1貴金属比(n=1)が黄金比、第2貴金属比(n=2)が白銀比です。ちなみに第3貴金属比(n=3)…1:{3+√13}/2 には青銅比という別名がついています。
(この並び、昔のアニメを思い出します)

おまけ

貴金属比に属さないながら、貴金属の名前を持つ比として白金比というものがあります。
白金比…1:√3
これは、正三角形の底辺の中点と頂点を結んでできる直角三角形の、斜辺を除く辺の比として出てきます。斜辺は短い方の辺のちょうど2倍になっていて、これは三平方の定理からも分かります。

最後に

少し前の話になりますが、京都大学数理解析研究所の望月新一教授による「ABC予想」の証明が認められたと話題になりました。「ABC予想」を真とすると、「フェルマーの最終定理(ワイルズの定理)」をあっという間に証明できるという話があるので紹介します。詳しい説明をしているサイトが他にありますので、ここでは定理と証明の概略を紹介するに留めます。
【フェルマーの最終定理(ワイルズの定理)】
3以上の自然数nについて、(x^n)+(y^n)=(z^n) を満たす自然数の組(x, y, z)は存在しない。
【証明の概略】
・ABC予想を真とすると、n>=6で(x^n)+(y^n)=(z^n) を満たす自然数の組(x, y, z)は存在しないことが証明できる。
・n=3,4,5の場合は、先人達によって個別に証明されている。
・よって3以上の自然数について、(x^n)+(y^n)=(z^n) を満たす自然数の組(x, y, z)は存在しない。
証明に360年かかった命題を、ここまで簡単に証明してしまえるのは驚くばかりです。しかしながら全てではなく、先人達が残した実績との合体技で証明です(これも昔の某アニメを思い出す)。どんなに優れた知見が出ても、そこに至るまでの先人達の歩みを無視することはできないと感じます。
今回は、ここで終わりとします。