キーマクロを作ってみた話

こんにちは。イメージマジック三浦です。昼食のために外に出たある日、風から感じる香りが変わったなと感じます。もうすぐ春ですね。
今回はnginxのログを解析するために、サクラエディタのキーマクロを作った話です。

キーマクロを作った経緯

システムのパフォーマンスが悪い時期があり、ボトルネック調査の一環でnginxのログを解析していました。 解析時はExcelやGoogleスプレッドシートでフィルタリングできるように、テキスト置換を繰り返してきましたが、次第にパターンが決まってきて、置換自体を手動リプレイできる状態になってきました。そしてはたと気づきました。
 

ここまでパターン化できているならキーマクロで自動化しよう!

キーマクロの記録方法

ここで、キーマクロの記録について触れておきます。
キーマクロは「ツール」>「キーマクロの記録開始」とクリックすることで、記録開始できます。タイトルバーに「キーマクロの記録中」と出てきます。
上の状態で「ツール」>「キーマクロの記録終了」とクリックすると、キーマクロ記録を終了できます。

簡単なキーマクロを作ってみる

まずは簡単なキーマクロを作ってみます。

(1,2,3,4,5)
を正規表現置換で
(1)
(2)
(3)
(4)
(5)
のようにする操作をキーマクロで保存してみます。 正規表現は以下の通りです。
「ツール」>「キーマクロの読込」とすると、以下のファイルが出てきます。
このパス内にある「RecKey.mac」が、先ほど記録したキーマクロの実体ファイルです。このファイルをデスクトップなどにコピーします(元の場所におくと次回のキーマクロ記録で消えてしまうため)。

キーマクロ機能拡張

先のキーマクロの中身はこのようになっています。
S_ReplaceAll(',', '\\)\\r\\n\\(', 1068);  // すべて置換
S_ReDraw(0);    // 再描画
Excelできれいに貼り付けられるようにしたいという目的を踏まえ、キーマクロを拡張していきます。今回は以下のような方針で拡張しました。
  • S_ReplaceAll のパターンを増やして、異なる方法での置換を実行する
  • S_ReDrow(0)を最後に呼び出すことで、画面再描画は最小限にする
  • 1行をタブで区切られた時の要素数が均一かつ、Excelに貼り付けた時に情報がきれいに出る。
拡張したキーマクロの一部を紹介します。
// HTTPメソッドの分割
S_ReplaceAll('\"(GET|POST|HEAD) ', '\t$1\t', 1068);
// HTTP Status の分割
S_ReplaceAll(' ([2-5][0-9][0-9]) ', '\t$1\t', 1068);
// 再描画
S_ReDraw(0);
拡張したキーマクロは、共通設定の「マクロ」タブで登録し、メニューから実行できるようにします。そこから先は置換結果やExcelに貼りつけた結果を確認しながら、正規表現を調整していきます。

仕上げ

Excelへの貼り付けを繰り返すうちに、以下の点も入れたいという気持ちが出てきたので、拡張中のキーマクロに組み込みます。
  • 先頭に項目行を入れたい
  • 置換後は保存しておいて開いたらすぐに貼り付けられるようにしたい
コード自体はキーマクロの記録で生成されたものをコピペします。
仕上げまで実施し、最終的には以下の通りになりました。
// ファイルの先頭に移動
S_GoFileTop(0);
// 項目行を追加
S_InsText(′項目1\t項目2\…');

// HTTPメソッドの分割
S_ReplaceAll('\"(GET|POST|HEAD) ', '\t$1\t', 1068);
// HTTP Status の分割
S_ReplaceAll(' ([2-5][0-9][0-9]) ', '\t$1\t', 1068);
(他いろいろ)
// 再描画
S_ReDraw(0);

// 保存
FileSave();
これで、アクセスログを整形しExcelに貼り付ける直前まで整形する操作のキーマクロができました。作ってみると非常に便利で、心の中でドヤ顔しています。

最後に

冒頭に記載したボトルネックについては、部員の皆様の活躍により、現在は改善されています。